家のテレビで映画を観る際、ついやってしまうことがある。
画面の右下に表示されている時刻からの、その先の展開やラストの推測。ここまでで1時間か とか、あと20分でこの状況ならおそらく終わりは・・とかいう具合。
この日もその式で、残り15分程の時点でハッピーエンドをほぼ確信、映画に限らず終わり方が気になる質で、いつもどういうシーンや方法で締めるのか注目しているもので、自分なりのラストを想像しかけたその瞬間、バン!床ひっくり返されてどしゃ降りの中に叩き出されたような、予想だにしない終幕を迎えた。
映画を観て泣くなどしょっちゅうある。
あらあらと思う間に涙が溢れ、勝手に流れる。観終わった後、考え込むし落ち込むし、暗澹たる気持ちに塞ぐ映画は何本もある。
ただ今回は尋常でなかった。
短い映画の紹介文から、勝手にコメディタッチの映画だと思い込んでいたせいもあったかもしれない。話が進んでいくうちに、そうではないとわかったものの、思いがけな過ぎた結末に思わずえっと声を上げ、口を押さえて硬直、噴き出すように涙が流れ、止まらなくなった。
涙を誘うシーンは沢山あった。元々温かくてやさしく、切なくやるせない映画である。にも拘らず、映画ではよく泣くわたしであるのに、そういう場面に接しても涙は出ず、ああこの映画は泣かないのかーと思っていたところにこのラスト。
これを嗚咽というのだろうか、喉どころか、体全部を締め上げられるような、息が苦しい程、頭の血管が切れそうな程の泣き様。こういう泣き方は日常でもそうはない。エンドロールが終わり、他の映画の紹介やら、大好きな薫ちゃん(小山薫堂さん)が画面に映っても止まらない。余程力が入るのか、背中も腕も痛くなり、泣き疲れてもう収まるかと息をついても、また込み上げてきて、ばたばたばたばた涙が落ちる。
泣きながら、自分でもびっくりする程あまりに泣くので、何がそれ程辛かったのか、何についてそれ程泣けたのか、或いは、気に留めてはいなかったけれども、最近泣きたくなるような出来事があったのではないかとさえ考えてしまう程、とにかく泣いた。
明日にはきっと、なんならこのあとすぐにでも、テレビやラジオなんかで面白いことがあれば笑うのだろうに。そう思いながら、結局確たる理由もわからないまま、テレビの前で数十分泣いた。
『ANY DAY NOW』・邦題『チョコレートドーナツ』。
ルディの歌を1日中ずっと聴いていたい。CDになっていないのだろうか。
わかっていてもきっと泣くので、しばらくはよう観んけれど、確たる理由もわからないまま、この映画がとても好きです。
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