夏の思い出その1

 

姪たちがじじばばの家へ遊びに来た時大抵行く図書館で、恐竜の映画があるので付き合えと言う。渋るわたしに母は40分程で終わるんじゃと言うが、40分程で終わる映画って何?姪たちはごはんを食べて昼寝してしまったが、行きたがっていたので上の姪だけ起こすことに。恐竜の映画始まるけど行く?と訊くと、頷きはするがなかなか起きない。寝たかったら寝とってもええよと言うがどうも行く気はあるようで、タオルケットを抱えてごろごろしながらきゅうきゅうと言う。様々な種の欲求の狭間で揺れ動く年頃らしい。行くんだったらもう起きんと始まるでとか言っていると、横で寝ていた下の子がすっくと立ち上がったので、行くんと訊くとこくっと頷き、すたすた台所へ行ってしまった。揺れ動かない年頃の彼女と母と気の毒な程ぎゅうぎゅう言うも一人と急いで会場に。
なんとか間に合ったが、なんと他に人はなく貸し切りに。子供向け(小学校中学年以上かなあ)の学習用のようなDVDの上映会だったが、これがなかなかのおもしろさ。恐竜の誕生やその歴史・絶滅した原因などが説明され、時代を追って恐竜も次々に紹介される。誰も見たことがないのに化石だけでどうしてこの体の色がわかるんだろうとか、恐竜時代のみならず昔のことには興味があるが、ステゴザウルスとかやはり有名どころしか知らないもので、手に載る程の恐竜もいたなんて驚く!いちいちへーとかそーとか言うし、恐竜のけんかや食べられるとこでは人が居ないことをいいことにわー!とかおお!とか大声をあげ、結局どうもわたしがいちばん楽しんでいたようだった。恐竜が紹介される度に、わたしこれ好きとかこの色はどうだろうとかいらん意見を述べるのは、図鑑をめくりながらどうのこうの言っていた幼少期とまるで変わっていないなと思った。だから姪たちから同列に扱われるのであろう。
まあしかし思わん楽しい時を過ごした。早速図書館で恐竜の本を借りて帰る小さい人たち。ふふふ、かわいいやつらめ。わたしは返しに来るのが大変だから我慢したのだよ。ふふ、おとなだろう。

     
夏の思い出その2

幼稚園(よりも前?)からの幼馴染みや、部活で一緒だった子たちが幹事だったので、こりゃ楽しいかもと思い中学の同窓会へ。
聞けば8年振りの開催という。人数は少なめだったものの(後で幹事代表が責めを受けていた)まあやたらと楽しい会だった。

高校に入るや自堕落をおぼえ、ろくに勉強をしなくなったわたしに、母をして中学の時のあんたの方が好きじゃ!と言わしめた程、人生で最も真面目で優等生だった中学時代。今その面影はまるでないが、それが善いかどうかはおいておき、年をとるということの効能を実感したような時間であった。
部活の中で最も厳しかったであろう野球部の練習中の水分補給方法や(当時練習時水を飲むのは禁止だった)男子がたった2人だったテニス部員の1人がなぜテニス部に入ることになったかや、大会がある時だけ発足していた陸上部のキャプテンだったという男子の発言に巻き起こった論争。普段殆ど行き来がないわたしにとっては初めて聞くことも多く、新鮮でもあったのか、同級生たちのやりとりがいちいちおかしく、茶々の入れ方などもう自分では思いつきもしないような絶妙・軽妙さで、殆ど感心しながら聞いていた。
同い年の人間しかその場に居ない飲み会(それが同窓会なのだけど)って、なんか独特の集まりだなあと思いながら。
1度も同じクラスにならず部活も違って、当時はほぼ言葉を交わすことがなかった人ともそんなことなかったように喋り、思春期の病からか話さなくなり、そのまま高校で離れて、それ以来なのでは?と思う男子とも笑って話し、それは時間のお蔭でもあるけれど、それぞれみんなが色んな人と出会って、色んなことを経験をして、受け入れ度量を広げてくれたからこそなのではないかなあと思える。わたしは中学の時より好き嫌いが激しく融通の利かない人間になっているので、おしなべて他の人々の懐が深くなったということに間違いない。身も随分豊かになった男子も数名いたが、心もしっかり豊かになって、実家が近いというだけで今住んでいるところと真反対の方向に送ってくれた幼馴染みをはじめ、終始みんな優しいなあと思うことばかりだった。

昼前頃から集まって、途中花火大会にも出掛けながら4軒はしごし、帰り着いたら日付が変わっていたという、平生大変フラットに過ごしているわたしにはたいそう刺激の多い非日常な濃い1日で、心地の良い消耗とはいえ回復するにはわりあい時間を要するものと・・・
みんなの会話を反芻し、思い出し笑いをしながらゆっくり日常に戻ります。

 

     
夏の思い出その3

アニメーション映像を町の中で流すという催しが真庭市内勝山であったので行ってみた。
想像もつかないまま会場へ行ってみると、駐車場を挟んだ両側の建物の壁とその正面上の方にある文化施設ひしおの窓、3箇所連動してアニメーションが映し出されている。壁についているひさしや窓などを利用するように高さなどを調整し、作られた作品もあって感心するばかり。同時期ひしおで展示をされていたアニメーション作家・古川タクさんのごあいさつ・説明は聞き逃してしまったものの、もう1箇所民家の2階から路上に映された、プリンが走ったり水玉が震えたりするなどの映像には子供も大人も上に立ってみたり追いかけたりと大はしゃぎ。わたしもこんなイベントは初めてで、繰り返される映像に長いこと見入ってしまいました。
町がピカピカして大変楽しいアニメナイト。また見たいなあ。

 

 

夏の思い出その4

今度会う時は水着持ってくる言うたがーと、腰に手を当て仁王立ちで上の姪に怒られたので、約束を果たすべく水着を携え彼女らとプールへ。
泳がないと本当に泳げなくなるよと人に言われたことがあり、姪がプールに行くと聞く度に、えーわたしも行きたいー!と泳ぐ機会を作ろうとしながら水着を忘れたりして、おそらく2年振りくらいの水泳。
顔をつけなくても水泳帽が必要という規則に戸惑いながらもいざ入水。泳ぐといっても姪2人の監視を母と手分けして行うのがメインになるが、その合間に泳いでみた。すぐ耳に水が入るので極力顔はつけないで平泳ぎ。クロールしろとか潜水で25m泳げとかちょくちょく姪から指令が入るが、顔はつけんしわたしは平泳ぎ専門じゃと断って好きにする。
人から見ればひどい泳ぎだなーと思われているか知らんが、まだなんとか泳げているかなあと少し安心した。
小さい頃、自らによるもの人為的なものにより溺れそうになったことが2〜3度あったが不思議と水嫌いにもならず、なんならスポーツの中でいちばんまともにできる種目だった水泳(他がまずすぎるとも言える)。これで泳げなくなったらまるきり運動のできない人になってしまうので、水泳後に襲ってくる激眠さと次の日の股関節の痛みには往生するが、これからも年に1回でもいいから泳ぎに行こうと思います。

 

 

 
 

 

 

 

 


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