黄金の
3日間

人が多いところはとにかく避けて生きたい性分ですので、ゴールデンウィークといえば近くのホールで映画を観るか畑に出るかだったのが、今年はなんと、はるか熊本からお客様がいらっしゃるということで、10年振りくらいにゴールデンウィークっぽい過ごし方となりました。

お客様というのが、わたしが雑誌デビューしたヤングユーでご一緒していた漫画家さんで、もし次に単行本出してもらえたら、絶対この方に帯を書いてもらうのだと決めていた程大大ファンの、上田めぐみさん。
piatto nono さんでの企画展をわざわざ見に来てくださるという!えーーほんまにー!?いや嬉しいけど、わざわざー?いや嬉しいけど!!とかいうわりに、初めて岡山に来られるというのに、倉敷?蒜山?ものすご人多いいですよ。車停めるとこないですよと脅し、THE観光地を避けるように誘導。しかし、ではどこへお連れしたらよいのだろうかと思っている間に上田先生来岡当日。

ひとまず1日目は、nonoさんを最終目的地として、その周辺でよいとこは・・・と考え、曲がるところを忘れて鳥取へ行きそうになりながら奈義町現代美術館へ。そのあと菩提寺の大銀杏を訪ねてから夜ごはんを食べにnonoさんへ。展示期間中置いている「何でもどうぞご自由に帖」に上田さんが入筆してくださり、ひそかに感激(あんまり嬉しくてそのページ載せてしまいました)。

2日目は勝山へ。すごい人だったけどタルマーリーさんにもお連れできました。そのあと奥津の星江美さん展へ。実はこの少し前、上田さんの素晴らしさを熱く語り、家にある上田さんの漫画が載った雑誌を星さんにお貸ししたところ、まんまとはまってくださっていたため、上田さんに星さんの作品を見ていただきたかったし、星さんに上田さんをご紹介したかったしで、願ったり叶ったりの奥津行きとなったのでした。お話しをして、星さんのグッズを手に入れて、温泉に入って帰りました。

最終日、上田さんを岡山駅へ送って行きがてら、半ば強制的にお連れしたのがFabrique451さん。Fabriqueさん、ヤングユーが廃刊になったと同時に漫画を卒業したと仰る程ヤングユーを読まれていて、お邪魔したところ、上田めぐみと松田シロが・・・!と喜んでくださいました(松田シロをご存知だという時点でどれだけヤングユーを読んでおられたかがわかる!)。そして上田さんをもてなしもせず自由行動をするわたくしは、エドワード・ゴーリー作『優雅に叱責する自転車』を立ち読みし、衝撃のラストに「ええ!」と声をあげてFabriqueさんに失笑されたり(本は購入)、Fabriqueさん作オカベマキコさんのまち針付きの針山きの子さん(勝手に命名)を物色したり(きの子さんも連れ帰る)、完全に自分のために過ごしてしまいました。
駅までの道を詳しく教えていただき、無事に上田さんをお送りして、ほんまはぎゅーとしてしまいたいくらいだったけれど、自粛して握手してもらってお別れしました。

5〜6年振りにお会いしたけれど、沢山お話をして元気が出て、諸事情により口内環境に不具合が生じ、上田さんがごはんを思うように食べられなかったのが残念だった(気の毒だった)以外は、本当に楽しい3日間でした。嬉しかったなあ。
今度はわたしが熊本に行くぞー。大好物・太平燕(タイピーエン)のはしごをするのです。

 

 
     
そうじゃ、総社に行こう。

近所の仲良しな方の娘さんが総社市にいらして、おうちへ遊びに行かせていただくことになった。
高速も苦手だし、下道もおぼえてないしで恐ろしい気持ちになりそうなので、寝ていてもそこへ連れて行ってくれる汽車に乗ることにする。今の時期、汽車に乗るのが大好き。トンネルに入る時など進行方向と逆を見ていると、車体が入った瞬間に周りの木々がばさあとなって、トンネルの黒と緑の組み合わせにうっとりするし、進んでいるのに、後ろに吸い込まれているような感覚になる。
伯備線に乗り換えてからの新見→総社間では、やたらと蔵が目に留まり、それに付いている家紋を眺めて寝る暇もなし。
総社に着いてから、その方の近所のカフェ&雑貨のお店に行ったり、行ってみたいと思っていたお店・珈琲と人さんでお茶をしたり、夕方頃には1人でふらふら散歩をしたり。古い町並みが残っている通りが楽しく、建物や家紋を見ながら歩いていたら、車で迎えにきてもらった駅に着いてしまって慌てて引き返す(腹が減って足に力が入らなくなり、行き倒れるかと思った)。
かわいい2人のお子(もうほんまにかわいんだもの!仲良くなりたい!)に心洗われながら一晩のお宿をいただき、次の日は、どうせ新見で1回降りるのだからと、絶対観なければと思っていた安野光雅展開催中の新見美術館へ。先月の花森さん同様、またも落ち込みながら安野さんの原画の数々を堪能。『かぞえてみよう』が素晴らしい。
そして新見といえばのお肉屋さんで、コロッケ・チーズ入りメンチカツ・じゃがハムコロッケを購入。駅でむさぼる。・・・旨すぎる。
帰りは時々寝ながら運んでもらう。1本逃すと3時間後という本数にはドキドキするが、やっぱり汽車は好きだなあ。
総社また行きたいなー。行きたいとこだらけじゃなー。

     
終わっちゃったなあ・・・

自分の準備の段取りの悪さに、始まったことが奇跡のようだった企画展、松田シロ展 in piatto nonoが、なんと終了いたしました。
終わるんだなあ・・・そりゃそうだけど。
丸々2ヶ月という期間の長さも初めてだったし、色々と私物を持ち込んだり、絵以外のもので空間を飾ったり、グッズを沢山作ったり、なんもかんもが初めてのことで、とにかく、よく始まったしよく終わったなあという安堵というか、ひとごとのような感心に近い気持ちになります。

nonoさんには、松田シロの個展に場所を貸すという形ではなく、展示に合わせて特別メニューを考えてくださったり、わたしが実際作業中に聴いている曲を店内でかけてくださったりという展示期間中の演出のみならず、展示が盛り上がるように随分前から色々と仕掛けをしてくださったり、沢山アイデアをくださったり、頭も体も動かないわたしには絶対不可能な、in piatto nonoだからこそできた企画展だったことは間違いなく、今後自分1人でこれだけの展示は出来ないと言い切れる程(言い切るとこも情けないけど)nonoさんのお力だらけの展示だったということなのです。

期間中、来てくださった方とお会いする機会もそうないと思われるし、自分が来た時何か書いて帰ろーと思って置いていた落書き帖・自由帖に、色んな方がメッセージをくださっていて、それを見るのもとても楽しみでした。
何度も来てくださった方、たまたま来られた方、ニアミスで会えなかったご近所の方など、嬉しくてちょこちょこお礼やお返事など書いておりましたが 、あれ 書いても届かんな・・・と思ったり。今1人で見てにこにこしております。皆様誠に誠にありがとうございました。

つい最近までてんやわんやしていて、一体呑気に楽しかったーなんて思えるものかはと思っていましたが、終わった途端まんまと楽しかったーとなっております。ばかなのか?
終了してからそんな気持ちになったということは、最終日までに関わってくださった方全てで、展示が成り立ったからではなかろうかと。どうやらわたし以外の皆々様のおかげのようでございますよ。
本当にありがとうございました。

ああ・・・なんだろうなあ、楽しかったなあ。気が抜けて寝込まないようにしよう。

 
 

 

働く店

演劇のワークショップに行ったという友人の話を聞いて、演劇の上演にあたり何かボランティアでお手伝いをしたりとかいうことをしたのだと思い込んでいたハタチの頃。
ワークショップとは何ぞやというのを知ったのはつい3年程前と思うが、知り合いの方が革のバッグを作りに行くーと言うので、え、えーーわたしもー!と革のワークショップに行ったのが4月のあたま。その色のチョイスと工程無視のデザインのために制作は難航。その日は完成しないまま、筒状の革を家に寝かせ続け、もう絶対次は仕上げる!と臨んだ2回目。
自分デザインのバッグを自分で作れるなんてー!と軽い気持ちと無理難題(本人無自覚)を抱えてお邪魔したのは、昨年秋に開催されたLiving in Arts Projectでご一緒した勝山にある革屋さん・maison de La crie。Living in〜の際に1つピンクの革でバッグを作っていただいた時も 、La crieさまには考えられない色合わせだったようで、ほんとにこれ持つんスか!くらいだったのですが(でもちゃんと作ってくださるのです) 今回も、電話でこんなん作りたいーと説明しても、おっしゃってることが全くわかりませんと言われるような代物だったらしく、どういう手順で作っていくかで苦悩させ(その辺なんも考えずに行っとるからね)、わたしの革用ミシンの扱いのど下手くそさに心底怯えさせながら、なんとか完成。できるもんなんだなーー・・・すんげーなーと、実物を目の前にしても不思議な気持ちで眺める。そういえば、木でイヤリングを作った時もしばらく惚けて見ていた覚えが・・・(これも相当ご迷惑をかけて生み出されたものだったなあ)

ここのところ何かを作りたい欲が出ているらしく、いただいた浴衣地から一晩(8時間ぶっ通し)でワンピースを作ったり、やたら制作したがる今日この頃。漫画描けばって話なのだが、締め切り前に部屋の掃除とかの類いじゃないかなあと・・・。そのうち飽きて途中やめの縫い物とかが残る予感・・・

 

 

 
 

 

 

 

 


Copyright © 2009 matsuda shiro All Rights Reserved