転職のすすめ

母と味噌をついた。味噌といえば、冬につくことが多いようだが、「レンゲが咲いたら麹を作れ」という祖母の教えに基づいて、昔からうちはこの時期につく。
週間予報の天気の具合でつく日を決めたら、その2日程前から麹を作る。麹の素を酢屋さんから買ってきて、蒸したお米に混ぜたあと、たて70センチくらいの平たい箱に入れ、同じ箱でふたをして、入浴後お湯のたまった風呂釜の上にのせて毛布をかける。上手に温度調節すると、2日あれば出来上がる。理想は白いふわふわ状態なのだけれども、麹菌が増えすぎると、すぐに緑になってしまう。
今回ちょっとやりすぎたかなと思っていたら、出来た麹を見た母曰く、「ええのができたがな。あんたあ麹屋になれるで」。一瞬、そうか?と思ったが、「風呂が緑色になる」との理由で断った。
第一需要があるのだろうか。ますます暮らしが困窮するよ。
というわけで、うちの風呂の壁・天井が青いのは、麹のせいだと思われます。

その後、片付け時に、わたしの頭にムカデがのっているというハプニングもありつつ(母が成敗しました)、なんとか無事に味噌作りを終えました。

 

 

レコードよ
永遠なれ

昔から、古い歌謡曲に惹かれる。
音楽がお好きで、レコードをたくさん持っている方に、そんな話をしていたら、歌詞とコードの載ったギター用の歌本を貸してくださった。その中に、探しても探しても出会えなかった、越路吹雪の愛の讃歌を見つけ、もうれつに感動した旨、その方にお伝えしたところ、後日越路吹雪の中古レコードを譲っていただくという出来事が起こり、早速家でかけてみた。
何度も聴いた曲なのに、なんでいちいちグッとくるのだろう、レコードで聴くと。愛の讃歌を、聴いては戻し(針を)、聴いては戻ししている。ラスト・ダンスは私にの出だしもたまらなくいい。
ここのところ、わたしの部屋は吹雪です。

 

 

お手紙
書きます


 

郵便局にお勤めの知り合いの方が、郵便局のオリジナル切手作成サービスで、シロ(犬)の切手を作ってくださいました。
わざわざ額に入れてプレゼントしてくださったのだけれど、これを貼ってお便りを出したい人が次々居るので、早速使ってしまうと思います。すいません。
そして、わたしも作りたくなりました。

 

 


愛しの
ヨハネス

いつもの厠de読書時に、いつものように古い暮しの手帖を読んでいたところ、色々なジャンルのCD(昔はレコード)を紹介するコーナーで、ブラームスを取り上げていた。
紹介しているのは黒田恭一さんという方で、まあとにかく様々な音楽をご存知であるのに感服しながら読むのだけれど、殊、このブラームスに関しては、わたしの想うブラームスの諸々を、わたしの脳内をご覧になったのではあるまいかと鳥肌が立つ程的確に文章にしてくださっており(1992年発行ですけど)、ぶるぶるしながら読んだあと、改めてブラームス大好きだ!と思ったのが2週間程前。そんな折、人との会話でブラームスの交響曲第2番(ブラ2というらしい)が登場し、久々にお耳にかかりたくなった。
ブラームスの交響曲は、4曲どれにも、胸をぎゅーーーとされるのだけれど、それぞれ特に好きな部分があったりする。
延ばし延ばしになっていた絵の彩色にいそしみながら、2番を流していたところ、今までこの2番で、かつてこんなことはなかったと思うのに、胸キュンゾーンに入った途端、突如ええーーんと泣けてしまった。とにかく胸の締めつけ具合が尋常ではなく、我がことながらちょっと心配になるぐらい、何度聴いても泣けてしまう。聴かなきゃいいのかと思うけど、泣けてしまう程美しいので、何度も何度も聴いてしまう。そしてその都度ええーーんとなる。
どうしたというのだ。情緒不安定か?何ブルーなのだ。新学期に何も始まっていないのに5月病にでもなったというのか?といささか案じたが、思い起こせばブラームスの他の曲でも、シベリウスでもチャイコフスキーでも同現象が起きており、小学校で習ったごんぎつねを高校の時読んで大泣きしたことがあったように、何かに深く感じ入る、その年齢や瞬間があるのだなあと理解した。

なにはともあれ、100年以上も経ちながら、まだこうして人を泣かせているなんて、まったくなんて憎いおヒトなのだろうなあ、ヨハネスさん。
指揮者によって違いましょうが、とりあえず、第2楽章 8分あたりでティンパニが入るところが泣きスイッチです。

 

そうして、惚れ直したブラームスを想いながら、風呂に入っていたところ、今年初のほととぎすの声を聞きました。

 

 

 

これからの
時期
気をつけて。

風呂にお湯を溜めながら、さあ入ろうかというその瞬間、掛かっているバスタオルのひだの部分に何か足のようなものが見えた。また大きなクモかなんかか?と覗いたところ、その先に、連なる節と沢山の足・・・。出た!と思った途端にざっと体温が下がったような感覚に(服着てないしね)。そのままゆっくりバスタイルで包んで、外に出そうかと思ったが、それはリスキーすぎると断念。祖父なら火ばさみで挟んで火炙りの刑に処すところだが、わたしは以前人から聞いた、ムカデを焼酎に漬けておくとその液が虫さされに効くのだというのを思い出し、すぐさま別のバスタオルを体に巻き付け台所へ。広口の瓶に、残っていたホワイトリカーを入れ、長めの割り箸を持ってまた脱衣所へ。しかし箸をのばしたその時に、この長さでは危険ではないかと思い至る。火ばさみを取りに行こうか、この箸でチャレンジしてみようか逡巡した結果、安全を考え火ばさみを使うことに。ただ夜とはいえ裸にタオルで表には出られぬと、服を着直し、暗闇の中、外の火ばさみを取りに行く。つまんだ瞬間に暴れて逃げたりしないように、火ばさみを握る手にぎりぎりと力を入れながら、そーっとムカデに近付く。挟んだ途端、当然ですけど全身をくねらせて暴れる様に恐怖しながら、彼をホワイトリカーの中へ。瓶の蓋を閉めたところで、ほっとすると共にどっと疲れが・・・。
湯につかりながら、あのまま何も知らずに風呂上がりにバスタオルで体を拭いていたらと思うとゾッとした。なんなんだろうこの奇跡的気付き。ああもう仏滅のこの日に、なんという運のよさ!
ムカデは必ずつがいでいるというので簡単に安心は出来ないけども・・・味噌をついた日に、わたしの頭の上にいたのがそれだったのだと切に願う!!

   

 


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